英語話者の「無」は、しっかりと輪郭を持った「無」の概念であると、第5章でお伝えしました。この輪郭を持った枠の内部が、なんらかのもので埋め尽くされることが想定されたり、期待されたりする場合は、その枠内は「何(what)」という概念で埋め尽くされることになります。
下記の様に人が何かを見ているとします。何かがそこにあることは分かるのですが、それが何であるのか具体的には分かりません。そのような時、人は、 What is it? (それは何か?)
または、
What I see is ———–. (私が見ているもの(見ている何か)は、――――――。
と、考えます。
その人は、あるものを見ているのですが、それが具体的に何であるのかを特定出来ずにいます。頭の中の概念の枠内は、「無」の様に空洞で何にも埋め尽くされていない概念枠ではなく、何かが入ることが想定・期待されている概念の枠であるのです。
「What(何)」とは、何かがそこに入ることを想定・期待されている概念の枠であるのです。
次の章からは品詞について説明していきます。「第7章:「品詞」とは、」へどうぞ!